OKパージ21とは何 その作用理論
OKパージ21は平成8年に開発されたパージ剤で、当時としては大変に画期的な発明でした。その後この技術の後継企業は複数ありましたが、OKパージもその一つとしてKNOW HOWを積み上げて改良を重ねて今日に至っております。
基本的に開発したのが大企業では無かったせいか、急激な発展は有りませんでしたが、効率の良い技術として一部の企業に継続的に愛顧頂き、今日に至っております。
最近になりまして系内残留物を浮かせて溶かすという技術に注目されるところが出て来て、パージ剤の一つの方向として認知されるように成って参りました。
OKパージ21はホウ素と窒素を有機合成によって製造した活性剤(電荷移動錯体)を樹脂に混練して作られております。
活性剤は大きく二つの効能を持っております。
1)異なった樹脂の界面から双方を相溶化して容易に溶融混合させる効能。
相溶性の効能によって系内に残留している残留物や高温で発生した炭化物と相溶して溶け込む事によって、
固化していた物を流動可能な形に取り込み排出する事が可能になります。
2)高温で液化して、金属と樹脂との間に染み込むように入って行く効能。
液化する活性剤は当然系内に固着している残留物や炭化物を金属部分から浮かせるように挙動するので1)
と同じく残留物炭化物を排出する事を容易にします。
マスターバッチのベースポリマー
OKパージ21はマスターバッチです、汎用の材料で10倍から20倍に薄めてお使いいただきます。
汎用タイプのマスターバッチのベースはオレフィン系高分子(プラスティック)ですが、約10%程度活性剤を混練してマスターバッチにしております。使用時活性剤が0.5~1%程度パージ剤に含まれていれば十分に効果があります。
活性剤の相溶性
活性剤には異種の樹脂の相溶化を促進する性質が有る為、多くの熱可塑性樹脂に対応する事が可能です。しかしながら、パージ後の材料を再利用する為や、系内の純度を保つ為にご使用の樹脂そのものををベースに活性剤を混練してその樹脂専用のマスターバッチを作ることも可能です。
従来のパージ剤(と言ってもこれが現在の主流ですが)は低MIの樹脂で残留物を押し流したり、樹脂に無機フィラーを混練して残留物をこそぎ取ったりするものです。
(元々パージ剤が作られたのはアクリル樹脂の生産の際の高分子副生物は使い途がなく、廃物利用でアクリル成形の時に残留物の排出に使用したのがパージ剤の最初という説もあります。)
この系統には既に多くのメーカーが有りますし、使い方が単純ですからよく使われています。
OKパージ21の様な単純でない系`も最近は色々とメーカーが出て来ておりますが、量的にはまだあまり沢山使われていません、最近になって成型業界も原価管理が厳しくなり、ロス率や稼働時間の管理が厳しくなると、経済的に色々なメリットが明確になって、徐々に使用される様になってきております。
この系統のパージ剤を使いこなしている成型業者は大きな効能をenjoyされています。特に押し出し関係は長年使われて大きな効果がありますし、押し出しだけでなく高価な樹脂を使用しての成型をしているところは、ロスの低減はそのまま利益に繋がる訳です。